SUSTAINABILITY

私たちイーオクトが考える「サスティナビリティ」とは、難しいことではなく、
誰もがただほんの少し、日々の暮らしを、消費行動を見直して、行動を変えること、進化すること。

北欧パートナー企業訪問記
2020.07.31

北欧パートナー企業訪問記 その14(リガバスケット_2)

こんにちは。広報の村上です。

今回はラトビアのリガにあるKLIPPAN工場の見学と商談を終え、リガバスケットの製造元へ向かうところからです。

北欧出張4日目の午後は、ラトビア、リガの伝統工芸品「リガ バスケット」の製造元「Pinumu Pasaule社」の持つ「バスケットハウス」へ向かいました。

「Pinumu Pasaule社」は旦那様のペーテリウスさん、奥様のロリータさんが運営。本格的なビジネスとしてバスケットを発売しはじめたのは1999年のことで、10人ほどの職人さんがいるそう。工房で仕事をされる方もいれば、自宅で作ってロリータさんが取りに行くケースもあります。

こちらが「バスケットハウス」。観光客もよく訪れるそうですよ。

リガ バスケットは一つ一つ職人さんの手作りです。繊細そうに見えるバスケットですが、柳はとても固くてコシがあるため、編み込むのは相当な力作業。ペーテリウスさんの手はグローブみたいに大きくて厚みがあるのですが、力強く編み込んでいくには、この手でないと!と思うほど。グイグイと力強く編み込みます。

こちらは「バスケットハウス」にある、工房の様子。


手前におられるのはペーテリウスさん、ロリータさんの息子さんです。跡を継いでいらっしゃいます。今作っているのはスーパーで商品を乗せるための台。色は違いますが、完成するとこうなります。


裏返すと・・・コロ付きの可動式!実際に使われている様子は見られませんでしたが、柳のバスケットに商品が並ぶなんて、想像しただけで素敵です。

ちなみに、ecomfortで販売しているバスケットは、80代のお母さん職人と、63歳の息子の職人さんの2人が担当してくだささっています。ゴッズアイという特長のある編み方ができるのは、こちらの親子のほか、数名しかいないため、このデザインのバスケットは貴重なのです。

ゴッズアイはこの四角い部分です。

「バスケットハウス」は、売り場や工房だけでなく、住空間も隣接しているため、ハウス全体を通して商品以外にもバスケットがいっぱい!棚やキッチンのちょっとした入れ物までカゴ・カゴ・カゴのオンパレード。どれも長く使い込まれているはずなのに、ツヤがあって美しい!!

収納棚や扉、ブラシやヘアピンなどの小物入れも!木田のブログでは椅子や机なんかも紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。

ペーテリウス夫妻がバスケットづくりに使う柳は全て自社栽培。農薬を使わないこだわりから、しなやかでコシのある丈夫な柳へと成長します。農薬を使うと、早く育つ代わりに、耐久性のない、スカスカとした柳となってしまうそう。

そうして大切に育てた柳は刈り取った後に乾燥させて保管。

編み込む前にたっぷりの水に浸し、しんなりさせて使います。この時に、ソーダ水(と、おっしゃっていたと思います)に浸すと、柳が黒く色づき、黒色のカゴ商品となります。

手前が水に浸している柳(自然の色)。奥がソーダ水(この時点でもう真っ黒に濁っています)。

余談ですが、ペーテリウスさんいわく、バスケットづくりには日本の「ニッパ」が一番良いのだそう。来日するときには必ず買いに行くほどで、「切れ味抜群の高性能」だとか。写真はわざわざ見せてくださったニッパです。日本の技術を誇らしく思った瞬間でした。

道具の話の流れから、ラトビアの家庭の日用品についても聞いたので少しご紹介。

これは食器を洗う時のディッシュブラシ・・・のようなもの。先端にスポンジがひっつく仕掛けで、棒は空洞になっており、ここに洗剤を入れて使うのだそう。どうやら、先端のスポンジに洗剤が自然と染み込み、泡が途絶えることなく食器が洗える便利グッズのようです。

話が変わりまして、「バスケットハウス」では家庭菜園もしていて、ペーテリウスさんがもぎたてのトマトやグレープを食べさせてくれました。「すっぱい!けど体に染みるーっ」って感じの味。伝わりますかね~。


ペーテリウス家族との穏やかな時間もつかの間、出発の時間が迫っています。

急いで帰り支度をする私たち。お次は旅客船「シリアライン」に乗り込むために、港へ向かいます。ロリータさんに車で送っていただきますが、時間はもうギリギリ!大きな荷物をガラガラと引いて走ります。リガもマルメと同じく石畳。ですが、マルメで味わった石畳とは比べられないほどもっともっと大きな石がゴロゴロしているので、大きなキャリーバッグは動かすのも一苦労なのです。

そんなこんなで、ドタバタの中、ロリータさんに別れを告げ、シリアラインに無事乗船。この時やっとラトビアリガという街を船の上からじっくり見渡すことができました。まるでおとぎ話の世界に出てきそうな味のある教会やカラフルな建造物。遠くに見える石像はいったい何だったのかしら・・・。

船がゆっくりと港を出発します。小さくなっていく街を見送りながら「この街をもっと知りたい!また来たい」と、私の人生の目標が1つ増えたのでした。

ここからは半日に及ぶ船旅のスタートです。海の上で一夜を明かすなんて……これも人生ではじめてのできことです。

次回はスウェーデンストックホルムで見てきたトレンドのインテリアショップや雑貨店、BENGT&LOTTAでのディナーの様子などをレポートします!

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