SUSTAINABILITY

私たちイーオクトが考える「サスティナビリティ」とは、難しいことではなく、
誰もがただほんの少し、日々の暮らしを、消費行動を見直して、行動を変えること、進化すること。

KLIPPAN 新作開発ものがたり
2020.04.24

二の巻:小野 豊一氏(デザイナー/型染作家)~吾亦紅と無量花にこめられた想い~

大分県国東半島。
海・山・川に囲まれた自然豊かな場所で活動する型染作家・小野豊一さん。
地に工房とギャラリーを構え、型染めや筒描きといった伝統的な染色技法を用いて、独自世界観を表現しています。

彼だからこそ生み出すことできる新しい「型」。
ぬくもりをもった作品たちは、わたしたち日常に寄り添い、感動を与え、こころに火を灯します。
圧倒的な存在感に魅せられたイーオクト代表・髙橋百合子は、リネン&シュニールコットンブランケットデザインを小野さんに依頼、そしてスウェーデンKLIPPANと日本古来型染デザインを掛け合わせた、唯一無ブランケットが誕生しました。
新しい伝統を次世代に繋いでいく、小野豊一さんへインタビューです。

いつか北欧の仕事が出来たら嬉しい、と思っていた

KLIPPANブランケットデザイン依頼があった時、どように感じましたか。

「単純に嬉しかったです。
僕が布模様を考えるようになった20代後半あたりからでした。
頃から北欧テキスタイルデザインなどをしばしば参考にしていて、いつか北欧仕事が出来たら嬉しいな、と思っていました。
ですで、今回お話を頂いた時は、あ妄想が現実になって、びっくりしています。
頃は色々あって・・・人生捨てたもんじゃないですね。」

 

潔さに魅了された「吾亦紅(われもこう)」と、空想の花「無量花(むりょうばな)」

ー 吾亦紅と無量花デザインは、どようにして生まれたでしょうか。

「吾亦紅は不思議な形をした植物です。
細い茎先に丸い玉がついていて、子どもでも簡単に描けるような形をしています。
シンプルな形にただただ惹かれて、こ柄を考案しました。
植物はもっと複雑な形態をしているで、それらを模様にする時は複雑な形態を簡素化したり変形させたりしながら模様に仕上げていくわけなですが、吾亦紅は違います。
初めから簡素化され、余計なもが付いておらずも凄くシンプル。

何か潔さようなもに魅了されました。
“模様”を本格的に考えるようになった20代後半でしょうか。
時は花や植物にあまり興味がなくチューリップや桜など、誰が見ても分かるような植物名前しか分かりませんでした。
しかし、何故か花柄には興味があり「描いてみたい」と常日頃から思っていましたで、それなら空想花を描いてしまえと完成したが「無量花」です。

無量とは数知れないほどあるということです。
ような男でも花に惹かれるところはあって、沢山花が目前に広がる憧れが自分を花柄へと突き動かしていったでしょう。」


写真は今回のデザインとなった「型」(左:吾亦紅、右:無量花)


実際にブランケットになると…

 

アイデアが閃いた時の輝きを失わないように再現する

ー 作品づくりで大切にしていることは何でしょうか。

「仕事内容などによって大切にしていることは違うですが、今回ようなテキスタイルデザインや表現要素が強い仕事については、アイデアが閃いた時輝きようなもを失わないように再現することでしょうか。
良い作品というは往々にして言葉がいらず、共鳴するように伝わるもだと思っています。
震度や勢いようなもを殺さないよう、生かすことが重要かと思います。
アイデアを形にする時初動には気を使います。
頭にあるもを手に握った鉛筆を使って紙に描いていく時、初め描く線がアイデアから離れたもになってしまうと、雲ようなアイデアはすーっとどこかに流されてしまう。
どれだけ描いてもあアイデアとかけ離れたもになってしまう。
こういうことはよくあります。」

 

型染めは模様としての図案を作り出す技法でもある

ー 小野さんデザインがKLIPPANブランケットとして織り上がった時は、いかがでしたか。

「普段は“染め”で表現している柄が“織り”として表現されて、とても新鮮に映りました。
型染めは模様を染める技法として用いられますが、僕は模様として図案を作り出す技法でもあると思っています。
ですで、実際に型を使って染めなくても模様としても成立しているこブランケットを見て、型染めに助けられたと思っています。
もちろん、KLIPPAN素材素晴らしさがあってこそ!です。」

 

モノを作るということはどういうことなのか、丁寧に考えていきたい

ー これから挑戦したいことがありましたらお聞かせください。

「今、衣服デザインに本格的に取り組んでいます。
規模としてはごくごく小さなもですが、時間をかけて良いもを作ろうと頑張っています。
これまでは若気至りで、作りたい模様を勢いで作ってきたと思います。
勢いが自分活動を支えてきたとも思いますが、これからはモノにもっと焦点を当て、模様とモノ関係をじっくり観察して動いていきたいと考えています。
現代社会はモノで溢れています。
モノを作るということはどういうことなか、自分なり答えを丁寧に考えていきたいです。」

 

北欧×日本の面白さを感じてほしい

ー 吾亦紅と無量花ブランケットをお求めになる方へメッセージをお願いします。

「今回ブランケットは、型染めが持つ模様魅力を含んだ素晴らしいもができたと思っています。
魅力とは日本を感じさせるもであったり、工芸的な暖かさであったり。
KLIPPANという上質な北欧素材に、型染め模様が合わさる面白さを感じて頂けたら幸いです。」

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小野 豊一(おの とよかず)/よつめ染布舎 よつめデザイン
1982年広島生まれ。広島芸術専門学校グラフィックデザイン科卒業。㈱吉田旗店(岐阜県)にて染めの見習いとなり㈲豊栄堂染工場(広島)に勤務。その後、大分に移住、よつめ染布舎を設立。染色からグラフィックデザインまで幅広く活躍中。https://www.yotsume.co/home
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