SUSTAINABILITY
私たちイーオクトが考える「サスティナビリティ」とは、難しいことではなく、
誰もがただほんの少し、日々の暮らしを、消費行動を見直して、行動を変えること、進化すること。
第4回(株)イースクエア 木内孝 共同創業者・特別顧問(後編)
イースクエアの思い、社会的な意義に共感し、エンヴァイロテックは2001年からイースクエアの株主になっています。
圧縮減容機を基軸に環境トータルソリューションを提供するエンヴァイロテックと、サスティナブルなデザイン商品の輸入・卸を手掛けるオフィスオクト。両社のコーポレイトサイトで、両社の製品を利用することを通じて環境負荷を低減させる事業活動を展開する企業をご紹介するウェブ連載「見つめ直す企業の社会責任」を1年間にわたってお送りします。
木内さんは2000年にイースクエアを設立し、今日までに有名企業を含む200社以上のCSRコンサルティングを手掛けてきた。日本にLOHASを紹介する際にも大きな役割を果たし、近年はカーボンオフセット分野やグリーンビジネスの振興にも精力的に携わる。
米国でのビジネス経験豊富な木内さんが特に訴えるのは、企業のコミュニティへの責任、コミュニティでのCSR活動の大切さだ。
イースクエア社長のピーター・ピーダーセンさんとの出会い、イースクエア設立の経緯とはどのようなものだったのですか。
米国にある「世界未来学会」というグループがサンフランシスコで開いた年次総会で、私は千人位の参加者を前に「熱帯雨林から何を学んだか」というテーマで基調講演を行いました。私の自然に対する思いや、人類が自然の摂理や美しさを損なわないためには企業やコミュニティが役割を果たすべきだ、などと話したのですが、その聴衆の一人がピーダーセンさんだったのです。
欧米では言行不一致は許されません。自然を守ると言うからには行動を起こそう、とピーダーセンさんと意気投合して、最初に「Future500」というネットワーク組織を作りました。これは次の世代に素晴らしい自然と住みよい環境、そしてコミュニティを残すためのものです。
ちょうどその頃、日本でNPO法が成立、税制も2年以内にNPOに有利に改正されると言われる中、私たちは日本でNPO[Future500]を立ち上げました。いざフタを開けたら税制は改正されず、3万以上誕生したNPOの内2万が資金繰りが厳しくて死に体というありさまです。
欧米では企業の確定申告では、過去一年間のボランティア活動や寄付について書くページがあります。われわれは日本でFuture500を一年運営して、日本には企業がNPOやボランティアを支援する枠組みがないことに気がつき「これではたまらない」ということでピーダーセンさんと相談して、企業と社会貢献を結び付けるプラットフォームとするべく、イースクエアを起業したのです。
イースクエアがやろうとしているのは、人間によって傷つけられた自然環境を修復し、次の世代にきちんとコミュニティを残すことです。そのためには企業であれ組織であれ、一緒にパートナーを組んで体を張って頑張りますよ。ですからわれわれは自分のことをコンサルタントとは呼びません。コンサルタントには横から助言するだけ、というニュアンスが感じられるからです。
これまでイースクエアと企業がパートナーシップを重ねる中で、サステイナブルな社会の実現のため、これからの企業に求められる要素は何だと感じますか。
やはり、次の世代に自然やコミュニティを残すぞ、という熱意ではないでしょうか。しかもそのパッションを一人
称、自分の言葉として人に熱く語れるかどうか。これが備わっている日本企業は少ないですね。私たちの中に「こうしたいんだ」という熱意、内なるパワーがあれば、身の回りで日々起こっていることへの気付きの力も高まります。イースクエアの社員は男性よりも女性が多いですが、それは熱意や気付く力は女性のほうが高いからですよ。
それともう一つ、市場の声ばかり聞いてないで自然にこそ学ぶという視点に立って、将来を展望することですね。シェル石油は既に1970年代という早い時期に、ピークオイルの時代の到来を見据えて「シェルモデル」という将来予測モデルを立てていました。他の石油メジャーより規模の小さかったシェルですが、昨今の石油価格高騰の事態にも大きな影響を受けずに業績を伸ばしています。これからは、環境に配慮することが企業の業績を伸ばす時代と言えるでしょう。
経営と自然環境をひとつのものと考えられる企業が、これからは伸びるということですね。ところで、イースクエアとエンヴァイロテックとの関わりについて教えてください。
実はエンヴァイロテックは、2000年にイースクエアの株主になっていただきましたから、もう10年のおつきあいになります。
イースクエアを立ち上げた数年後に「カーボンオフセット・ジャパン(COJ、一般社団法人日本カーボンオフセット)」を設立、エコプロダクツ展に出展したときのこと、エンヴァイロテックの高橋社長がわが社のブースにいらしてウチの社員に「あなたたちはエコについて分かっていないわね。もっと勉強しなさい!」と叱咤激励されたエピソードがあります。(笑)。社長は「私たちのブースをしっかり見に来なさい」と諭してね。こういうきっかけや出会いが、人の態度や人生を変えるのだと思います。ですから、高橋社長には感謝しています(笑)。
最後に、エコシフトへの第一歩を踏み出そうとしている企業トップへのメッセージをお願いします。
企業がエコシフトをするには次の3つ、「誰がやるのか」「新しい技術やオリジナリティがあるのか」「どういうビジネスモデルか」が大きく問われます。その上で、その企業が活動している地域やコミュニティにはどういう課題があって、どんな人々がそこに関わっているのかを、もっと知っていただきたい。そうすれば、人々やモノ・コトを組み合わるとこういうことが一緒に出来る、という展望が見えてくるはずです。そこから立ち上がる、地域に根ざしたグリーンビジネスの事例を共に産み出すべく、イースクエアでは環経成というグリーン企業の地域ネットワークをつくっています。これからも、エコシフトを目指す企業の知恵袋となるべく、頑張っていきたいものです。
ありがとうございました。
イーオクトのすべての軸である「サスティナブル」について、詳しくご紹介します。
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