SUSTAINABILITY

私たちイーオクトが考える「サスティナビリティ」とは、難しいことではなく、
誰もがただほんの少し、日々の暮らしを、消費行動を見直して、行動を変えること、進化すること。

COLUMN :第4回(2011.03.08)

第4回 Coop Konsum Brommaplan店 (3)
~環境先進スーパーのエコチャレンジ~

環境配慮製品の売り上げ率、全国トップ10の成績

COOP Konsumの店内をぐるっと一回りすると、オーガニックのKRAVマーク、北欧スワンの環境ラベル、自然保護協会の鷹の環境ラベルのマークの製品があちらこちらに目立ちます。

 


コープ・コンソム・ブロンマプラン店の正面


環境ラベルのKRAVのマークやエングラマークがついている野菜

 

何と、この店舗では、全国のKonsumの中で、環境配慮製品の売り上げ率が14%、全国トップ10に入っています。ちなみにKonsumの全国平均は7%ですから優秀です。

店長のジェンス・ソーレンセンさんによれば、この地域はBrommaplan(ブロンマプラン)駅の近くに、シュタイナーの学校もあり、住民の環境への意識は高いとのこと。

彼は、COOPの環境配慮製品のプライベートブランドである「エングラマーク」のシリーズ製品の他にも、デンマークからエコブランド商品の調達を行っています。

最近、特にヒットしているエコ商品は、30歳以上の女性に人気のあるオーガニックのハーブティのシリーズ商品です。フェアトレードの商品も増えているとのことです。

 


人気のあるオーガニックのハーブティが並ぶコーナー

 

店長は、環境配慮製品は、現在、ほぼ全ての分野で揃っており、足りないと感じる商品はないが、あえて挙げれば12歳以上の子ども対象の菓子類だと言っていました。

 

デポジット制で、飲料水容器の散乱ゴミ問題なし

スウェーデン政府は、アルミ缶のデポジット制度を1984年に、ペットボトルは1994年に導入しています。
飲料水メーカー、飲料水容器メーカーとスーパーマーケット業界の3者で経営するReturpackという会社が回収とリサイクルをしています。

アルミ缶も、ペットボトルも再度、リサイクルされて容器になります。回収・リサイクル率は85%で世界トップクラスです。ガラスの瓶は、飲料水メーカー業界が取り組む前からデポジット制度を取り入れています。

飲料水メーカー、飲料水容器メーカーとスーパーマーケット業界の3者で経営するReturpackという会社が回収とリサイクルをしています。

アルミ缶も、ペットボトルも再度、リサイクルされて容器になります。回収・リサイクル率は85%で世界トップクラスです。ガラスの瓶は、飲料水メーカー業界が取り組む前からデポジット制度を取り入れています。

飲料水の容器のガラス瓶、アルミ缶、ペットボトルは、消費者が購入時に約8円~25円のデポジットを支払います。デポジット料金は、アルミ缶 1クローナ(12円)、ガラスの瓶(大) 90オーレ(11円)と(小)60オーレ(8円)、ペットボトル(大)2クローナ(25円)(小) 1クローナ(12円)です。

2010年9月にこれら容器は、全国どこのスーパーに持って行っても、払い戻しができる便利なシステムになっています。

そのお陰で、街の中や自然や公園で飲料水容器の散乱ゴミの問題はありません。もし、落ちていたら、お金になるので誰か拾っていくのです。回収率は、90%前後です。

どこのスーパーの店舗にも、容器を投入すると自動的に払い戻しをする機械が入っています。その投資はスーパーがします。

 


デポジット回収機械で実演をするソーレンセン店長

そして、お店は、お客さんにデポジットを返却するための手数料をリサイクル会社のReturpackからもらいます。

Konsumの店舗では、最近、お客さんに現金を返却するか、そのお金を発展途上国の植林や、援助団体に寄付をするかの選択ができるようにしています。

Konsum全体で、年間1600万クローナ(約2億円)の寄付が集まるそうです。デポジット制度を利用してすばらしい社会貢献につなげていると思います。

 

バックヤードでの環境対策は素材分別

店長に、バックヤードのゴミ分別について話を伺いました。なんと20年前に導入していたという年季の入ったスウェーデンORWAK社のゴミ圧縮減容機があり、小さい段ボールなど、かさばるリサイクル対象物を圧縮するのに使っているとのことでした。



20年前からゴミは分別・圧縮・リサイクル。ORWAK圧縮減容機が大活躍!

 

以前は、大きいボール箱やプラスチックの容器などが多かったそうですが、最近は、サプライヤーの環境対策が進み、運んできた箱を、そのまま引き取ってくれたり、リサイクルプラスチックの通い箱を使っていたり、バックヤードがゴミでいっぱいになるということは少なくなったとのことです。

ビニールの袋、プラスチックの容器、ボール箱など全て、素材別に分別しているところを見せてもらいました。

また、古くなった野菜などを捨てる容器がありましたが「アイヤバイヤ」=「やっちゃいけないよ!という意味」の名前をその容器につけていました。それは、コンポストをしている業者に引き取ってもらっているそうです。

 

清掃も環境配慮

店舗の清掃は、清掃会社に委託をしているそうですが、清掃時の環境配慮は要求しています。例えば、洗浄剤が環境に配慮されているということは当然のことだと言っています。

 

レジ袋は有料

レジ袋の有料化は、デポジット制度と同様、スーパー業界で合意して全国のスーパーで一斉に同じ価格で導入しました。

現在、プラスチック袋は1.5クローナで約17円です。結構高いのですがスウェーデンは、消費税が25%ですから、日本より分厚いしっかりした袋だったらそれぐらいしてもおかしくないという感覚です。

導入された直後は、買い物袋を持ってくるお客さんも多かったのですが、今は、あまり気にしないでレジ袋を買っています。袋として何度も使えて長持ちすることもあります。またゴミ袋として再利用している家庭も多いのです。

 




 

スウェーデンでレジ袋がなぜ議論にならないのか

スウェーデンでは、レジ袋が日本のように大きな環境問題ととらえられていません。

その理由は、以前、レジ袋を燃やすとダイオキシンが発生するという問題がありましたが、素材を変えているのでダイオキシンの問題がなくなったことと、レジ袋の素材もリサイクルに出すことができるようになったことです。

また、最終的にゴミとして燃やされても、日本のようにその熱が何も利用されず捨てられるということはありません。法律で、ゴミ焼却すると必ず最低80%の熱回収率で暖房と発電に使われなくてはなりません。だから、レジ袋が特に問題であるという議論がないのです。
日本では、レジ袋を減らすと地球温暖化の対策になるという議論があります。もちろん、出来るところから始めることは良いことです。
しかしながら、社会の石油の使用用途の全体から見るとプラスチックに使う量は、5%程度と聞きます。石油がそのまま暖房や電源として燃やされていることこそ大きな問題です。
スウェーデン政府は、暖房や車両燃料に使う石油を削減するための政策にターゲットを絞っています。日本でも、政府にもっとエネルギー会社の脱石油の対策を要求するべきだと思います。
Konum Brommplan店では、布のエコバッグも販売しています。39クローナ(1,200円)とかなり高いのですが、その利益はフェアトレードに寄付しています。

 

まとめ

Konsum Brommaplan店は、店長が環境に熱心ということもあり、平均的なKonsumの店舗より積極的に環境配慮製品のアイテムを増やしていて、非常にポジテイブなイメージでした。これからも、ぜひ、業界でリーダーシップをとって頑張ってほしいと思います。

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